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自ら追求し、自ら表現する子どもを育てる 

愛知サークル 報告AICHI

2022年度 第1回例会 4月17日 於:桜花学園大学

参加者11名 オンライン参加1名

T 今年度最初の例会は、3月末に行った授業づくりを学び合う会で学んだ「黄金の3日間」のスタートダッシュの検証と今後の対策、年間を見通した計画について検討した。そのため事前に会員に3つの課題を出し、実践したものを持ち寄って互いに検討し合うことにした。その3つとは、
1 「追求する授業の年間計画」
2 始業式から15日までにやったことの成果と課題(映像とセット)特に、黄金の3日間で何をしたか。
   その作戦と結果。
3 2を受けて、18日からの1週間何をしようとしているか。
  以上の3つの課題について、各自がレポートにまとめてきたものを一人ずつ順に発表し、その成果や課題について 検討し合うという形で、会を進めた。その中で見えてきた課題は、以下の通りである。

・勉強というのはちょっと無理をすることだというのを、すべてにひもづけていくとよい。無理をしていくことは無限にあるので、それを具体的に指摘してやる必要があるのだが、教師の中に意識されてないことが多い。教師に意識があれば、もっとやれる。
・きちんと子どもに振り返りをさせて、子ども自身が変わったかどうかを自覚させる必要がある。子どもは変わっていても自覚していない。無意識を自覚させることが大事で、それも、具体的に自覚させる必要がある。
・教師の感動が子どもに伝わっていない。教師は語っているのか。子どもに伝わるように語っているか。教師が楽しそうにしゃべる、聴きたくなるようにしゃべる、伝わるように語る表現力が必要である。
・子どもの心に火がつけば、後は子どもから燃え広がる。原因と結果をきちんと評価してやることが大事である。こうやったから、こうなったと自覚させる。
・放っておくともとにもどるのは、子どもは先生のためにやっているのであって、先生の言いなりで動いているのだ。
・教材解釈が甘く、目的がぶれているものがある。
・映像の子どもたちの表情がのっぺりしているのは、子どもたちが教師に義務感でお付き合いしているからだ。
 
 この後、森川先生がかつて担任したクラスの1日目と2日目の動画から学んだ。教師は、黄金の3日間で子どもは必ず変わるはずと信じているか。たった1日で確かに変わった子どもの事実を目の当たりにして、子どもは確かに変わるということを信じ、中途半端に流さずに実践していくしかないと改めて思った。

U 表現
 3年の紙版画の実践の検討をした。縄跳びをしているなら、髪の毛はどうなるか、目はどこを見ているか、何跳びをしているかといったことまで具体的に追求したい。

V まとめ
 黄金の3日間で何をしようとしたのか。3日間で何が変わったのか。取り組みが甘かったと言わざるを得ない。
 子どもは変わるということをまず教師自身が信じ、心から子どもの事実に感動したい。しっかり、網を張ること。子どもとのつながりが糸を張って、一つにまとまったら、その後で追求の要求度が上がる。声と声、目と目、3日間は自覚的な構えをつくる期間である。

2022年度 第2回例会 5月22日 於:桜花学園大学

参加者10名 

@1か月の変化を追ったレポート
<A学級 4年>
1か月経過して本人が感じている課題は、子どもへの指導が定着しないということである。徹底できないのは何故か。・教師の声がよく、子どもも柔らかさがある。反応がないのは、授業に内容がないからである。教師が教材を好きかどうかは大事なポイントである。内容が子どもを開放させる。教材を好きになるまで教材解釈をして、教師が授業をしてみたくなり、授業を楽しんでやる教師側の「熱」は必要だ。粘り強くやればよいのではなく、授業をしている自分が苦しいようなら続かない。子どもの反応が好きで、感動する。教師も子どもも楽しい。そんな教室を目指したい。授業をしている自分が好きか?

<B学級 4年>
 教師が国語を楽しめるようにとやってきたが、子どもは楽しめていない。子どもの表情を読み取れず、とっさの受け答えができないでいる。
・教師と子どもとの人間関係はどうだろうか。学級に発言しにくい雰囲気があるのか?
・子どもたちの前で自分にふたをしているのではないか。大槻先生は、「丸裸になったら、自分が笑えてきて楽になった。」とのこと。解放されることにより明るくなる。「へそを出せ」ということではないか。
・子どもの話を落ち着いて聞けていない。ストライクゾーンが狭いのかもしれない。子どもの発言を楽しみに待てるとよい。「受け入れる」という気持ちを持つと、「聴く」姿勢が生まれるかもしれない。

<C学級 2年>
「聴く」という点で、Aさんと同じ課題(徹底できない)がある。
・「聴く」かまえをとっていないのに話し始めている。それでは、子どもの気持ちに届かないのではないか。語り方を工夫して、教師言葉ではなく、自分言葉で語りたい。言葉と体、全人間で、人間性が子どもを動かすということを肝に銘じたい。

A 尾上先生の講義
・平野啓一郎著「私とは何か」から、「自分という人間の全体を漠然と考えるのを止めて、分人単位で考えてみる」ことを提案された。いくつかある分人の構成が自分の個性でありその集合体が自分である。その中で、{〜しているときの自分が好き}を大事にすることが大事である。そして、子どもたちの存在が、自分を愛すことができる存在になるか。
・若松英輔著「はじめての利他学」からは、愛を与えるためには、まず自分を愛し受け入れることだと話された。自分を好きにならないと自分が充実していないと、愛を与えることはできない。そして、子ども一人一人の強い面を見つけること。子どもがこのクラスにいたい。このクラスが好きと思えるようにしたいものである。すると、ものが言えるようになる。

B 音読表現の映像
<Dさん>
 表現として物足りなく、伝わらない。どうしたら伝わるか。
・始めの2行だけでいいから、もっとていねいやりたい。表現したがっている子がいるのだが、どうやっていいのか分からないでいる。そういう時こそ教師の真似をさせるといい。

<Eさん>
 オペレッタにつながる音読にしたい。
・始めの2行だけでいいから、もっとていねいやりたい。表現したがっている子がいるのだが、どうやっていいのか分からないでいる。そういう時こそ教師の真似をさせるといい。
・短い文にイメージを集中させる。
・会話文では、会話の前の「ため」のイメージをつくる。
・面白いところだけをやるなど、効果的に継続する。

C 図工
<Fさん 「運動靴」(下絵)>
・運動靴たる所以を考えさせ、かかとをいかに守っているか。つま先の丸みはどうなっているかなどポイントを押さえたい。
・「足入るかな」「走れるかな」と問いかけ、事実とは違っても、本人がとらえたものをどう表現するかということを大事にしたい。
・彩色するなら、くつひもと足を入れるところからやると、集中が続くと思われる。


2022年度 第3回例会 6月14日 於:桜花学園大学

参加者8名

1 1年国語「とん こと とん」
(1)授業記録より ・
・この話には、のねずみともぐらの2人が登場する。「ふたりはなかよしになりました」という表記について、どの段階で「なかよし」になったのか。
・「とん こと とん」のやりとりは、2人しか知らない合図。つまり、なかよしの印というイメージができたら「なかよし」の理解につながったのではないか。
・1年生にする授業としてはやり方が難しすぎたのではないか。もっと「とん こと とん」のイメージを膨らませたほうがよい。なぜ、「とんこととん」で相手の言いたいことが分かるのか。それは、気心がしれているからである。気心を知るなにかがあった。動作化も入れるとよい。
(2)授業映像より
・2人とも1年生にもかかわらず、自分の考えをきちんと話すことができていた。普段の授業実践がうかがえた。
・G児は自分の考えていることを伝えようとしている。M児のもっているイメージを引き出せるとよかったのではないか。教師側が2人の考えを整理・誘導してしまっている感じがある。(授業者もこの件には同意)
・もっとM児に喋らせる機会を作ったほうがよい。この2人なら、2人で話し合ってすすめていけそうである。
(3)音読映像より
・次のページに読み進める際、M児はG児が準備完了するのを待つ様子が見られたところが、素晴らしかった。
・音読を楽しんでいるようだ。声に自信を感じる。ただ、読み方は一本調子だから、もっとよくなる。そうすると音読を楽しめるようになるのではないか。
・表現としては、3つの「とんこととん」がどう違うかを意識させたい。その違いだけやるのもよい。教科書は必ずしももたせる必要はない。目的(何を表現させるのか)によって、手立てを変える必要がある。

2 4年国語「走れ」
(1)授業記録より
・言葉の関係性を授業で扱うことで言葉のイメージをもたせるべき。「お母ちゃんの笑顔が消えた」一つをとってもどのような様子で消えたのかを、想像させる。やり取りの結果としてお母ちゃんの笑顔が消えるのだから、そこをどう子供にイメージさせるか。けんじがエスカレートするのに対してお母ちゃんは笑顔になっていく。そのイメージを掴ませたい。一瞬で消えるとはどういうことなのかを子供にもっとイメージさせたい。それまで作りだろうとなんだろうと笑顔だったのに消えた。その直接の原因は直前だろうが、そこにつながるなにかにお母ちゃんが気づいた。言葉にこだわった授業を心がけたい。
(2)授業映像より
・子どもから言葉が出てきていない。興味がもてる課題設定だったのだろうか。何を話せばよいのか、考えればよいのか、わかっていないようにも見える。意見の拠り所となる言葉にもっと注目させる補助発問が必要。この言葉、と限定すればよい。
・子供の中に言葉が入っていっていないように見える。子供が主体的になるには、言葉や文に向くように、教師がどうお膳立てができるか。その上での対話。
(3)音読映像より
・短いところを選んで読んだところは良かった。
・「ね、ね、今日はお母ちゃん、僕が走るまでに来てくれるよね」の1行だけでもよかったのではないか。読み方ではなく、もっと気持ち(イメージ)を引き出したい。
・もっともっと子供から評価がでるようにしたい。教師がそれを見せるのが大切。
・イメージをもっと大切にした音読をさせたい。「ね、ね」はもっとワクワク感が伝わるような。これと対応するようなのぶよの「ん・・・・たぶんね」の言い方。対比。これがあるからこそ、このあとにでてくる「のぶよにとっての憂鬱感」「裏切られた感」が生きる。

3 2年 国語「名前を見てちょうだい」
(1)授業記録より
・主人公の女の子は、帽子を返してくれないことに対して怒ったのか、名前を見てと頼んだのに見ようとしないことに怒ったのか。大男だけは名前を見て頂戴と頼んだのに、見もしないで口に入れてしまっている。狐と牛は、少なくとも名前を確認している。怒りの対象を問う発問に曖昧さがあった。そこをはっきりさせていなかったため、子どもたちは答えにくかった。
(2)授業映像より
・もっと子供の発言を大切に。子供の発言に対する評価(なるほどね!とか)が大切。その子の意見を発展させていないので、それを発展させたい。
・先生が話題にしたいことと、子供が伝えたいこととにずれがあった。挙手をしているあいだに言えない児童が見られた。そういう子に対して「先生があとはなんとかするから」と伝えると子供が安心して発言するのではないか。
(3)音読より
・目指すものがどのくらい明確にあるかがまず問題。あったとしたら、そこに向けてどうするか。解釈、読み、表現・・・そうすると、構えの問題、・・・ただの棒読みから脱却するためにはどうすべきか。手を打つ必要がある。・・オペレッタを音読に活用すればよい。 ・
・目の前の子どもの様子を観察し、効果的な場面で課題を与えることが大切である。


2022年度 第4回例会 7月31日 於:桜花学園大学

参加者9名

T 国語の記録と学級映像
「くまさん」
 授業者は、「よかったな」に着目して、「何がよかったのか」という問題をつくり話し合ったが、問題をふくらませることができず、子どもたちみんなの問題になっていないことが課題と考えている。授業者の解釈は、くまでよかった。その根拠は「ぼんやり」と「みずにうつったいいかお」としていた。
 ・「いいかお」ってどういうことか。解釈として、そこが弱いのではないか。
 ・最初の発問「何がよかった?」より「どうして、よかったな。と言ったのかな」のほうがよいのではないか。
  授業展開の材料が少ないのではないか。

【映像から】
 ・発言しやすい雰囲気があるが、子どもたちは発言者を見ておらず、座席の工夫の効果がない。
 ・教師が楽しい雰囲気でやろうとしているのが伝わってくる。が、ここはというところでピシッとやるとよい。全  員参加が課題である。
 ・授業者が見えていない子がいた。雑草は抜く必要がある。教師が本当に分かっていたら、伝わる。

「一つの花」
 最後の場面で問題づくりをしたが、ここで授業者がお母さんのことをもちだしたのはよかったか。また、子どもの言葉で「あのお母さんだれやねん?」という発言を放置したのはよかったか。など授業者自身が不明な課題がある。
 ・教師の初めの発問「ここなんでかな?と思うところがあった人?」という発問が悪い。問題の質を子どもは分か  っていない。子どもがした発言をそのままにしている。
【映像から】
 ・友達が発言しているのにノートに何か書いている子がいる。まず、書くことを止めて、全員参加を強くメッセー  ジとして出す。大事なつぶやきを拾って、つなげていきたい。
 ・発言者を見させるのも、形式的だ。子どもが聞きたくなるような内容にすべきだ。

「走れ」
「びりがほこらしいのは。なぜだろう。」という問題で、原因は?の母と弟の応援のおかげという解釈で臨んだ授業であるが、「対立がうまくできない。」「教師が誘導している。」「子どもの熱量がたりない。」等の課題が出てきた。
 ・「ほこらしく」を「自慢できる」というとらえでよいのだろうか。
 ・びりはいやだったのに、びりになった。それなのに、ほこらしいのはなぜか。
 ・どの言葉でやっているのか分からない。言葉に即してやっていない。子どもの発言に飛躍がある。フィーリング  で読んでいるのではないか。きちんと授業を組み立てたい。

「ニャーゴ」
 問題「なぜねこはねずみをおどすつもりだったのに自分がどきっとしたのか。」解釈は、「ねこにとって予想外のことだったから。」として、授業を行った。子どもの発言が、本題から離れてしまうという課題が出てきた。
 ・主となる問題の他にどんな発問を用意していたか。例えば、「ひそひそ話ってどれぐらいなの。」「かたまって ってどういうこと。」など。授業をつくるにあたっては、主となる問題だけ用意しておけばよいのではなく、もっ とそれを解決するためにいろいろな発問を用意しておくべきである。


「どうやってみをまもるのかな」
 体をまるめたアルマジロの様子から、敵は逃げるのではなく興味をもたず行ってしまうなど読みのイメージを変えながら、どんな状態であっても動かない身の守り方を読み取らせたかった。
 ・アルマジロの天敵は、ジャガーやヒョウだが、動作化をやるにも授業者にその敵の具体的なイメージがないのは  問題ではないか。本文になくても科学的読み物なら、なおさら調べたほうがよいのではないか。
 ・身を守るためのエキスだから、「じっとしていることのすごさ」のイメージをもっともたせたい。

U 表現
(1)
音読表現の映像から
 4つの音読表現の映像を視聴し、それぞれの課題について検討した。姿勢や呼吸、声の大きさや間の取り方など、教師の認識次第で変えられそうなことが多い。また、一見して上手に見えるものは技巧的な感じもする。
(2)  歌唱・ステップ表現・図工
 歌唱:口の開き具合・声の大きさ・姿勢・暗い表情を一斉指導している。「さ」「あ」で、内面から追いたい。

 ステップ表現:対教師にまずは知ってもらう。
図画:個性がなく、格差がない。羽根の数が多く、本当の孔雀に 見えない。


2022年度 夏の解釈道場 8月27日 於:桜花学園大学

参加者7名
教材「ごんぎつね」

【一場面】
@〜M K段落「ごんは、びっくりして飛び上がりました。」
  問題:ごんは、なぜ飛び上がるほどびっくりしたのか。何に、それほどびっくりしたのか。
  1 川上の方へかけていっていなくなったはずの兵十が、向こうからどなりたてたから
  2 いたずらのつもりだったのに、ぬすっとぎつねめと言われたから
   3 うなぎをつかもうと、うなぎのことに夢中だったから。
 このときの兵十は、向こうから「うわあ、ぬすっとぎつねめ。」と、ただ怒鳴るのではなく、怒鳴りたてた。「〜たてる」という言葉は、そこまでする必要があるのかと思われるほど大げさに何かが行われていると感じられるわけで、この兵十の異常な叱りように驚きを禁じえず、思わずおどり上がるように飛び上がったのではないか。ここでは、「どなりたてました」を根拠に1と考える。

【二場面】N〜?問題
?いたずらばかりしていたごんが「ちょっ、あんないたずらをしなけりゃよかった。」と、反省しているのは、Bと比べると大変化である。よっぽどのことがあったに違いない。この大変化の原因は、何か。そして、何を考えたか?   考えました:今まで昼でも夜でも辺りの村へ出てきて、いたずらばかりしていたごんが、あなの中で考えるなん        て変だ。雨が降り続いたその間、あなの中でしゃがんでいたことはあったが、考えたことはなかっ        た。よっぽどのことがあった。
 一連のことがあり、兵十のおっかあの葬式があったその晩に初めて考えたので、おっかあの葬式が考える引き金になったと言える。これが、よっぽどのことか。「  」の中に、考えたことのヒントがあるが、事実と空想が入り混じっている。
【三場面】?〜?問題:兵十は、いつ、つぐないを決心したか。
  1 ?段落の前
  2 ?の「思いました」
  3 ?いわし売りの声
 ?段落の「おれと同じ、ひとりぼっちの兵十か。」は、同情である。同情から償いは発生しない。三場面の直前まで穴の中で考えていたのではないかとなり、1に落ち着いた。
【四場面】?〜? 問題:?「それが分からんのだよ」と言っているのに、なぜごんは二人の後をつけていくのか。 五場面?に「ごんは、二人の話を聞こうと思って、ついていきました。」とあるので、目的が二人の話を聞くことにあることが分かる。
【五場面】?〜?問題:?で「へえ、こいつはつまらないな。」と思いました。「おれがくりや松たけを持っていってやるのに、そのおれにはお礼を言わないで、神様にお礼を言うんじゃあ、おれは引き合わないなあ。」とは、どういうことか。→六場面とあわせて考える。
【六場面】?〜? 問題:「へえ、こいつはつまらないな。おれがくりや松たけを持っていってやるのに、そのおれにはお礼を言わないで、神様にお礼を言うんじゃあ、おれは引き合わないなあ。」と言っていたにもかかわらず、なぜ、その明くる日も兵十のうちへくりを持って出かけたのか?
 「その明くる日も」とは、そんなことがあった次の日でさえも行った。ごんは、自分の償い行動が「神様のしわざ」と思われて、前の晩は「つまらない」「引き合わない」という思いにもなったが、冷静になってもとに戻ると、神様と思われてもいい。やっぱり償いをしなくてはいけないと思い直すぐらい悔恨の情が強かったと考えられる。?の「持ってきてやりました」や?の「持っていってやる」など恩恵や同情の気持ちが時々入るが、?の穴の中で考えたこと、悔恨の情から生まれた償いの気持ちは強く、ずっと持ち続けていたと考える。


〇各場面でつくった問題について、解決すべく検討しただけで一日が終わってしまい、授業展開まで話し合うことはできなかった。また、全場面を表面的になぞるだけで精一杯であった。しかし、2学期に「ごんぎつね」に初めて取り組む会員もいたので、勉強の良い機会にはなった。授業実践後に、また記録を検討していきたい。


2022年度 第5回例会 9月25日 於:下志段味小学校

参加者7名

1 国語授業記録・映像

@<Aさん>「一つの花」 4年 記録と映像から
 学級全体で問題づくりをしたところ、教師が想定していなかったところを子どもが問題にしてきた。それには、教師がノープランだったため、そういう場合どうしたらよかったかという課題が出され検討した。
・子どもが疑問に感じて出してきた問題をあいまいなままズルズルいかないで、「それってどういうこと。」と突っ込んでいくことが必要である。本当に子どもの中に、変だ、おかしいと問題を全員が共有しているかが大事である。AかAかの違いが、もっと明確でないといけない。
・教師自身が問題と格闘していないのではないか。
・教師が仕事をしていない。教師が聞き流しているから、子どもも聴かない。子どもの発言を受け止めて、他の子につなげていく仕事をしていない。見ていない、聴いていない子をどうしようとしているか、そこが見えてこない。教師には、見ていない子や聴いていない子が見えているか。つぶやきを上手に利用したり、反応の仕方や「それって、どういうこと。」と突っ込む練習をしたりする必要がある。

A<Bさん> 「ピーターのいす」 4年 記録と映像から
 授業者は学級課題づくりの場面の記録を提案した。会員全員が、本教材の解釈や展開案を持参した中で、授業者の実践記録と映像を検討した。会の共通教材なので、記録の検討も後半は解釈の話題となった。
・「家出しようや、ウィリー。」と言ったわけを考えるときの対立のレベルが違っている。
  Aまだ塗られていない椅子は塗られないように守りたいから。(これは守るためで「目的」)
  B自分が赤ちゃんの時に使っていたものが勝手にピンクに塗られていたから。(原因)
・ピーターの言動で問題をつくるように限定して指示を出している。問題のつくり方は具体的でよくなってきている。
 例) たくむさんとあゆむさんと似ていて、ピンクに塗られるのがいやで、それでちっちゃな椅子だけピンクに   塗られてなくて喜んでいて、それとかピンクに塗られるのがいやで家出までしていたのにスージーのために   ピンクに塗ろうよと言ったか。
    たかや君に似ていて、さっきまで家出の時に椅子まで持っていって、なぜ大切な椅子を・・・椅子も持っ   て家出したのに、急にピンクに塗るって言ったのか。
・子どもたちの発言から集約されて学級課題がつくられる過程が記録されているとよいが、唐突に学級課題が出てきている。
・ピーターの言動が、誰に対するものなのかを整理するとよいのではないか。父母 対 ピーターか、父 対 ピーターか、母 対 ピーターか。母に対する課題、父に対する課題。それが、後半はどう変化するのかなどを、分けて考える必要があるのではないか。

2 表現
@<Aさん>「一つの花」
・素材としての子どもは悪くないが、教師が仕事をしていない。言葉を音にしただけである。まずは、一文か二文だけからで始めてみるとよい。子どもの様子を見ながら行い、ストップさせては、どっちが気持ちを込めやすいかとか、速いのかゆっくりか、などと選択していく。ちょっと読解をやるだけで変わる。

A<Bさん>「ピーターといす」
・役割読みをさせているが、緊張感がない。「 」は、発話する人の意思によって読み方が変わる。お母さんの叱責を身近な経験を生かして想起させるとよい。

?表現「子どもの四季」4年
・企画段階で考えたいことは、授業者の自分らしくアレンジをしてオリジナリティな面を入れ込むことである。特に、冒頭の場面で客を驚かすような演出などが効果的である。
・提案するときは、構成が分かるようなものを出すとよいが、練習段階の映像を見ながら検討する方がより実践的である。


2022年度 第6回例会 10月16日 於:桜花学園大学

参加者8名

1 追求U
 @図工「立つ友」5年
 四つ切画用紙を縦に3枚つないだ大きさに立つ友をモデルにして実物大のクロッキー作品。
・大きさとかバランスとかの視点での指摘が多い中で、大事なのはねらいであるとの指摘が重く響いた。対象を発見し、一つの線を選ぶ(見つけたらかく)という活動だから、いい線を子どもに分からせる必要がある。せっかく子どもが見つけて精一杯かいた線を教師が余分なことを言って子どもを認めていない。
・デッサンは初期にやらせるものだから、4月にやった方がいい。

 A体育「跳び箱:開脚跳び・台上前転」4年
・実技以前の指導で気になることが多くあり、雑な指導が目についた。運動ができるようにする以前に教育の場であることの意識が必要。(人の前を通らせない・見学者が見学できる位置に座らせる・歩き方・・・)
・「ふみきり」がよくできている。「かっこよい」は、理にかなっているかどうかである。合理的な教材解釈はどこかが教師に分かっていない。学校体制で毎年指導されてきているので、運動のできる子が多い。上から手がいく子をお手本にしてやるとよい。
・台上前転でロイター板を使っているが使わない方がよい。跳べない子は、おしりが上がらないので、おしりを上げる手立てがいろいろ出された。

 音読表現
「ピーターのいす」1年
 読解をしながら動作化を交えて音読は大声をただ出すだけではないのではと意見が出た。E段落の「あれ、ぼくのゆりかごだったのに〜」から、「あれ、ぼくのしょくどういすなのになあ。」そして「ぼくの赤ちゃんベッド。これもピンクにぬってあるぞ。」ときての「あれは、まだ、ぬってないぞ。」であることをふまえると、ここは、抵抗なんだ、反抗なんだという解釈がいるのではないか。わざとお父さんに聞こえるように言っているとかいしゃくしたほうがいい。「出す」と「こえを上げる」の違いを明確にしてそれを表現したい。

「教室はまちがうところだ」2年
 毎朝声出しのためにやるのは一つのトレーニングになってはいる。ただ、意味のある詩がただのスローガンになってしまっている。内容に入っていくと、なぜ間違った方がいいのかを具体具体でイメージをつかみたい。具体的なイメージが大切である。リアリティをもって、生き物の音読にしていきたい。

「ぼくは川」4年
 繰り返しの言葉が出てきているところは、強調したいところと分かるので変化をつけることができたが、その他は「ほとばしる」などもイメージをうまくもたせられなかった。また、七五調になっているので、そのリズムで一本調子になってしまった。そのリズムを壊してやる必要がある。子どもの真似をして、「これどう?」と子どもに考えさせる必要がある。

2 国語の記録と学級映像
 @「ピーターのいす」の実践記録と授業映像
<Aさん>
 ・「おとなのいすにすわって、ピンクにぬろうといったわけ」を学級課題にしているが、次元の違うことを問 題にしているので問題が悪い。
 
<Bさん>
 ・意見をもっと子どもに出させて整理分類させなくてはいけない。教師の誘導・教え込みになっていく。また、子どもの発言が単語で言っているうちは発言できるようにならない。文で言えるようにしたい。

<Cさん>
 ・対立問題が原因と目的がごっちゃになっている。これでは、選べない。学級課題のつくり方として、「おしりが入らない。いすにすわれない」とNで分かった結果、ピーターは何を考えたか、全体を読む必要がある。音読で「ぬろうよ」を、前のめりで読むか、しぶしぶかを考えさせても面白い。

A「ごんぎつね」
 5場面でくりやまつたけが神さまの仕業にされて引き合わないと思ったにもかかわらず、その明くる日もくりをもって兵十のうちへいった理由は、「償いと気づいてほしい」の両方という解釈で授業者は臨んだ。
・子どもに問題を言わせる。→予想を言わせる→仲間分けをし、AかAでそれを選ばせる。選ぶことが考えるということになる。対立させて人数調査をする。これが基本の進め方になる。まずは、この流れでやってみるとよい。


2022年度 第7回例会 11月20日 於:桜花学園大学

参加者8名

1 追求T:授業記録と学級映像
(1)「お手紙」2年
 本時の学級課題「かえるくんがとてもしあわせになったわけはなんだろう」
・教材文には、「二人とも、とてもしあわせな気もちで、そこにすわっていました」とあり、かえるくんは、しあわせになったとは書いてない。教師のやりがちなことであるが、教材文に忠実に問題文をつくったほうがよい。この場合は、「なぜ二人とも、とてもしあわせな気もちなんだろう。」という問題にすべきではないか。
・記録を出すときは、対立問題を二つに整理分類するまでの記録がほしい。
・@がまくんが、かえるくんがお手紙をくれるってことを信じてくれたから。
 Aがまくんの笑顔が見られたから。という二つは対立にならないのではないか。問題にするなら、「とても」ではないのか。ありえないぐらいのしあわせをどこで感じたのか。がまくんのとてもは何か。かえるくんのとてもは何か。ふたりとも「とても」の「とても」の異常性を追求するとよい。
・「とても いい お手紙だ。」で、問題をつくろう。という、学習習慣をつくるとよい。ここから、手紙の内容に入っていける。がまくんは、かえるくんが何を描いたのかを気にしている。想像もしていないような内容の手紙だった。どの表現が、がまくんには意外だったのか。「きみが?」「ぼくの親友」「うれしい」という言葉に着目していく。
・言葉で学習についていけない子は、ぽろぽろ落ちていく。音読を取り入れてやるとイメージができていくので、「読んでみよう」といって、音声にしてやるとよい。

(2) 「サラダでげんき」1・2年
 本時の学級課題「アフリカぞうが、アフリカから急いできたわけはなんだろう」
・大問題の入り方が大事なのだが、予想段階での対立の組み方がおかしい。
・たちまち元気になるための秘策がアフリカぞうにはあったはず。これをやらないとりっちゃんの希望がかなえられないという最後の決め手のようなものがあったのではないか。
・大問題を「なぜ、アフリカぞうは、わざわざ来なくてはいけなかったのか。」として、それは、どこを読んだら解決しそうかと考えていく。「いやいや、これからが ぼくのしごと。」の前と比べて、何が難しくてりっちゃんにはできないのか。ぼくにしかできない仕事、りっちゃんにはできないこと。それを考えるために、Sを読む。
・学習展開が平板である。追求の授業の基本に戻って、まず課題をもたせる。理由を予想させる。整理して対立を組む。中心にある文を見つけてそこを読む。Rのどの言葉をやるかとそこまで追い詰める。原則を思い出して実践することである。追求は「追Q」である。まず、クエスチョンから始めよう。

【映像から】
二人の実践記録を検討してから、映像を検討した。
・4月につけたい学習の構えがこの段階でもできていないという学級の実情がみてとれる。対話が生まれる環境(そういう授業をして対立させる)、反応が必要な授業をしているかが問われている。
・子どもの反応もよくて、教師との関係もよい。問題は、教師の教材解釈が甘い。大問題をきちんと設定して対立させるという原則に立ち返り、サークルで解釈したものをうのみにせず、自身で再度解釈をして実践を積む以外ない。

2 追求U:表現
<表現>
(3)「かさじぞう」2年 70人 
   「スイミー」1・2年 3人
・教師や子どもの熱意がかんじられるが、ありきたりな表現で意外性がない。表現で大事なことは、この場面ではこういうことを表現したいというイメージがあるか?どれだけ工夫ができるか。人数が多ければ、その多さを生かしていたか。教師が薄っぺらな表面的な表現をしている。
・表現が説明的になるとつまらない。具体的なイメージをどれだけもたせられるか。学年団で行う場合は、全児童を動かしすぎないように考えたい。

 <歌唱>
(4)「夢の世界に」「にじ」 全校 17人
・きれいな声で歌っているが、子どもたちの表情が硬く、楽しそうに見えないのはなぜか。
・選曲が追求に値する曲かを再考したい。この曲なら「さあ」にどれだけ、エネルギーをかけられるか。歌い始める前に、「さあ、出かけよう」という話をしたり、空を見上げさせたりしてどれだけイメージをもって表情をつけるかを考えたい。

<描画>
(5)「お父さん・お母さん」1・2年
・1・2年生の作品とは見えないぐらいである。写真を見て描くと形はとりやすい。写真と実物はやはり違うので実物を見て描かせたいが、それができない場合は写真でも。

3 まとめ
 毎月1回、ここへ来るということ。必死の思いが、パッションが必要である。謙虚になり立ちどまり、見つめ直すことが、次なる飛躍につながると信じたい。